成長期特有の身体の硬さによって起こるスポーツ障害の予防対策
幣守 裕之
身体の硬さについて
今回は「身体の硬さ」や「柔軟性」についてです
よく保護者の方から「うちの子、身体が硬いんです」という話を伺います。
実は成長期に身体が硬くなることや
柔軟性が低下することは仕方ない部分もあります。
成長期に身体が硬くなる大きな要因は、
骨と筋肉の伸びる(成長する)スピードの違いにあります。
具体的に説明していきます。
まず、成長期に身長が伸びるメカニズムについてです。
身長が伸びる。
つまり骨格の成長には骨が大きくなる必要があります。
子どもの骨には「骨端線」と言われるところがあり、
そこから長軸方向に骨が形成されて伸びていきます。
(余談ですが、骨の原料は「カルシウム」、「コラーゲン(タンパク質)」です。
成長期にそれらを含む牛乳や魚をよく摂るといい!と言われる理由のひとつです。)
この骨の伸びが、身長の伸びに繋がります。
そして急激に身長が伸びるタイミング(PHV)という時期があります。
(平均的に女子では11歳、男子は13歳くらいです)
この時、骨は成長していっているのですが、付着している筋肉はまだ大きくなっていない段階です。
イメージとしては、
鉄筋コンクリートの家を建てるのに、鉄筋(骨)は準備できているのに、コンクリート(筋肉)が準備できていない形です。
つまり、骨が伸びてから、筋肉が成長していきます。
※ふくらはぎの筋肉と骨のイメージ
筋肉は骨についていますので、
筋肉はゴムが引っ張られたようになり、緊張します。
この時期に過度な運動、
つまりキャパシティを超える負荷がかかると、
オスグッド・シュラッター病やシーバー病のような
「スポーツ障害」に繋がります。
対策としては、
ストレッチで筋肉をほぐすこと、栄養を摂ること
そして「適度に休むこと」
が成長期には必要です。
この記事のまとめ
同じ運動のしすぎ、座りすぎも筋肉が硬くなる一つの要因ですが、
成長期(特に男子)はそもそも身体が硬くなりやすいです。
ストレッチで筋肉をほぐすこと、同じ動きを繰り返しすぎない、しっかり栄養を摂り、適度に休むことが成長期に必要です。
今回の記事では「成長期の身体の硬さについて」書いていきました。
次回は「身体の硬さとパフォーマンスの関係」について書いていきます。
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